「二人暮らしの食費は平均7.7万円。月3万に抑える節約術」——このタイトルを見て、正直まず引っかかったのは平均の高さより「月3万に抑える」という目標設定のほうだった。7.7万円を3万円まで、つまり半分以下に削る。数字だけ見れば立派な節約だけど、これを毎日の食事でやり切るのって、想像以上にメンタルを削る作業だと思う。
僕は倹約家寄りの人間で、食費もたぶん平均より低い。でも「食費をとことん削る」ことには、あまり賛成しきれない自分がいる。理由はシンプルで、僕自身が学生時代に食費月1万円の生活を経験していて、それが「節約術」なんてカッコいいものじゃなく、ただの消耗だったと知っているからだ。
この記事では、元記事の節約術を認めるところは認めつつ、「食費をどこまで削るべきか」を、入金力(毎月投資に回せる金額)という視点から考えてみたい。結論を先に言うと、僕は食費を極限まで削るより、削る場所を選ぶほうが長続きすると思っている。
元記事の要約:二人暮らしの食費は平均7.7万円、理想は手取りの15〜20%
まず元記事の内容をフラットに整理しておく。東京電力グループの「くらひろ」が総務省の家計調査(2025年調査)をもとにまとめた記事で、二人暮らし(勤労者世帯・世帯主60歳未満)の食費平均は月76,880円。前年から2.2%増えていて、物価上昇の影響がはっきり出ている。総務省統計局の家計調査が出典だ。
内訳で目を引くのは、外食が17,642円と最大で、次いで調理食品が11,645円。穀類は前年比+16.0%、果物+10.1%と、値上がりの実感がそのまま数字に出ている。理想の食費は「手取りの15〜20%」が目安とされ、月3万円に抑えるための節約術として、家計簿アプリでの管理、まとめ買い、予算の細分化、外食費の別枠確保、ふるさと納税の活用などが挙げられている。
この節約術のリスト自体は、僕もかなり素直に「その通り」だと思う。特に「家計簿アプリで見える化する」「予算を細かく区切る」「ふるさと納税を活用する」あたりは、我慢とは違う仕組みの話なので効果が続きやすい。実際、僕もふるさと納税の返礼品でトイレットペーパーやティッシュを調達している。頑張らなくても勝手に安くなる仕組みは正義だ。
違和感の検証:食費を月3万に削る労力は、入金力アップに回すほうが効く
結論から言うと、食費を3万円まで削る労力は、固定費の見直しに一度だけ振り向けたほうが、ラクで効果も長く続くと僕は考えている。ここが元記事の「月3万に抑える」という目標に対する、いちばんの違和感だ。
なぜそう思うのか。僕は学生時代、仕送りゼロ・奨学金なしで、近くにスーパーもない環境だった。徒歩圏はドラッグストアだけで、見切り品の野菜と冷凍食品で食いつないでいた時期の食費は、たぶん月1万円くらい。あれは節約術じゃなくて、単純に金がなかっただけだ。そして今振り返って思うのは、あの「毎日の食事を我慢で埋める」生活は、じわじわとメンタルを削っていたということ。お腹は満たせても、判断力とか気力みたいなものが確実にすり減っていた。
だから僕は、節約を「削る額の大きさ」と「削るしんどさ」のバランスで考えるようになった。食費を7.7万から3万へ、月4.7万円削るのは金額としては大きい。でもそのために毎食の楽しみを削り、外食をゼロにし、常に単価計算をし続けるとなると、しんどさのコストが跳ね上がる。しんどさが上がると、たいてい途中で反動が来て続かない。
一方で固定費——スマホ代、保険、サブスク、電力プランあたりは、一度見直せばあとは自動で下がり続ける。しんどさはほぼゼロなのに、月1〜2万円くらいはわりと簡単に浮くことが多い。この「一度の労力で継続的に効く」性質が、食費の日々の我慢とは決定的に違う。同じ金額を浮かせるなら、僕は迷わず固定費から手をつける。この考え方はクレカで家計見える化|NISA入金力を上げる節約術でも詳しく書いた。
そして、浮かせたお金を「未来に回す」と、削る意味がぐっと変わってくる。仮に食費を無理に削らず、固定費見直しで月1.5万円を捻出し、それを投資に回した場合をざっくり試算してみる。

- 積立元本の総額:15,000円 × 12か月 × 20年 = 360万円
- 運用益(試算):約190万円
- 前提利率:年4%(過去の全世界株の平均リターンを保守的に置いた仮定値)
- 税金の扱い:NISA口座を使えば運用益は非課税。課税口座なら約20%が差し引かれる
もちろん年4%はあくまで仮定で、相場が下振れする年もある。ここは「毎年必ず増える」ではなく「長期でならすとこのくらいを期待する」という話として読んでほしい。ただ、毎食の楽しみを削ってメンタルをすり減らすより、しんどさゼロの固定費見直しでこの原資を作るほうが、僕にはずっと現実的に見える。
僕の場合
今のうちの食費は、二人暮らしで月4〜4.5万円くらい。平均の7.7万円よりは低いけど、3万まで削ろうとは思っていない。妻がナスの揚げ浸しや麻婆豆腐を家で作ってくれるおかげで自然と抑えられている部分が大きく、逆に2週間に1回はマックやバーガーキングを「食べてしまう」。ここは我慢しない。全部削ると続かないのは、学生時代の消耗生活で身に染みているから。食費は数字で管理しつつ、感情の逃げ場は残しておく——それが僕の落としどころだ。
読者へのアドバイス:食費は「削る場所を選ぶ」、削らない枠を先に決める
結論として、食費節約でまずやるべきは「上限を3万に決める」ことではなく、「削る場所と削らない場所を分ける」ことだと僕は思う。全部を我慢の対象にするのが、いちばん続かない。
具体的には、まず外食や調理食品のような「時間とお金のトレードオフ」項目から見ていくといい。元記事のデータでも外食1.76万円、調理食品1.16万円と、この2つで食費の約3分の1を占めている。共働きで忙しいと、時間を買うためにここが膨らむのは自然なこと。だからここをゼロにするのではなく、「週に何回まで」と回数で枠を決めると、我慢ではなくルールとして機能する。
次に、ふるさと納税やまとめ買いのような「頑張らなくても勝手に安くなる仕組み」に寄せる。日用品を返礼品でまかなえば、食費以外の生活費も自然に下がる。ここは我慢が発生しないので、真っ先にやる価値がある。
そして、これは向き不向きがある。今まさに家計が赤字で貯金ゼロという人は、いったん食費を含めてしっかり絞る局面が必要だと思う。守りを固めないと投資どころじゃないから。逆に、すでに毎月それなりに貯められていて「もっと入金力を上げたい」段階の人は、食費を削るより固定費と収入側に目を向けたほうが、しんどさ対効果が高い。自分がどっちの局面にいるかで、食費への向き合い方は変わっていい。削ることと惜しまないことの線引きについては、節約と消費のバランス|倹約家が540万の車を買った理由にも僕の基準を書いている。
今日からできること
- 家計簿アプリを1つ入れて、直近1か月の食費を「外食・調理食品・自炊」の3つに分けて把握する(所要15分)
- スマホ代・保険・サブスクを1回だけ棚卸しして、月1〜2万円の固定費削減を狙う(我慢ゼロで継続する節約はここから)
- 「削らない枠」を先に決める。例:外食は週1回・月8,000円までは罪悪感ゼロでOK、とルール化する
まとめ
二人暮らしの食費平均7.7万円というデータは、物価上昇の実感を数字で裏づけてくれる有用な情報だと思う。ただ僕は、「月3万に抑える」を全員の目標にする必要はないと考えている。食費を半分以下に削る労力としんどさは、固定費の一度きりの見直しに振り向けたほうがラクで、効果も長く続くからだ。
食費は数字で管理する。でも、毎日の楽しみまで全部は削らない。削る場所を選んで、浮いたエネルギーとお金を入金力に回す。学生時代に食費月1万円の消耗を経験した僕だからこそ、「極端は続かないし、判断も鈍る」と実感を持って言える。ごはんくらいは少し余白を残しておく——それが長く続けるちょうどいい塩梅だと、今の僕は思っている。
筆者のひとこと
正直、節約の話になると「いくら削れたか」の競争になりがちだけど、僕が本当に大事にしているのは「続けられるか」のほう。学生時代の見切り品生活は、金額としては優秀でも、心の余裕という意味では最悪だった。あの頃の自分に一言かけるなら「削る額より、削っても平気な場所を見極めろ」だ。ごはんは、頑張らずに続く範囲で十分だと思う。
※本記事は個人の見解であり、特定の商品の推奨ではありません。掲載した利回りは過去実績をもとにした仮定値で将来を保証するものではなく、投資は自己責任でお願いします。
この記事を書いた人
しごととお金のラボ 管理人
28歳の組み込みエンジニア。仕送りゼロ・食費月1万円の学生時代からつみたてNISAを始め、資産1,100万円まで積み上げてきました。仮想通貨で10万円全損した失敗も隠さず書いています。派手な儲け話ではなく、「働き続ける不安から逃げるために始めた投資」のリアルを発信中です。
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