僕が残クレを選ばなかった理由|金利1.95%マイカーローンの計算

僕が残クレを選ばなかった理由|金利1.95%マイカーローンの計算 節約・家計

車屋さんで見積もりをお願いすると、高い確率で「残クレなら月々これだけで乗れますよ」という流れになります。僕も言われました。憧れの車を目の前にしてあの数字を見せられると、正直グラッときます。月2万円ちょっとで、この車に乗れるのか、と。

でも結論から言うと、僕は残クレ(残価設定クレジット)を使いませんでした。去年、540万円の中古車を買ったときの話です。車はホンダのS2000。2009年式のAP2で、2人乗りのオープンカー。人生で最初に買ってもらったトミカがS2000だったので、20年以上引きずり続けてきた夢でした。

普段の僕は、服はほぼユニクロで、トイレットペーパーはふるさと納税の返礼品でまかなっているような人間です。そんな人間が540万円の買い物をするので、さすがに「夢だから」では自分を納得させられません。この記事は、そのとき僕がやった計算の記録です。残クレをやめた理由と、最終的に固定金利1.95%の銀行系マイカーローンに落ち着くまでを、実際の数字のまま書きます。

そもそも残クレって何なのか

先に仕組みだけ整理しておきます。残クレは、車の価格から「数年後に下取りに出したときの想定額(=残価)」を差し引いて、残りだけを分割で払う買い方です。300万円の車で3年後の残価が120万円なら、月々の支払いのベースになるのは180万円ぶん。だから月額がすごく安く見えます。

ここまでは、別にいい仕組みだと思うんです。僕が引っかかったのは、その先でした。

まず、利息は据え置いた残価の部分にもかかり続けます。まだ払っていない120万円に対しても、利息だけはしっかり発生する。月々の安さと、総支払額の安さは別の話です。それから、契約が終わるときには「返す・乗り換える・残価を払って買い取る」の三択を迫られます。返すか乗り換えるかを選べば、また次の支払いが始まる。おまけに走行距離の上限とか、傷の精算とか、返却前提の縛りがセットでついてきます。

3年ごとに新車へ乗り換えたい人にとっては、悪い話ではないと思います。ただ僕は、この車に20年乗るつもりでした。「数年後に返す」ことが前提の仕組みと、20年乗る計画。この時点でもう噛み合っていません。しかも17年落ちの中古スポーツカーなので、そもそも残クレの対象になりにくい。僕の場合、比較する前に勝負がついていました。

一括で買えるのに、あえてローンを組んだ理由

残クレが消えて、次に考えたのが現金一括かローンかです。白状すると、貯金を取り崩せば一括で買えなくはありませんでした。それでもローンを選んだのは、投資をやっている人ならたぶん同じ計算をするからだと思います。

僕はNISAでS&P500のインデックスファンドを積み立てています。長期の年平均リターンは、よく言われる数字でだいたい5%前後。一方で、銀行系のマイカーローンの金利は、探せば2%を切ります。車の代金として340万円を払ってしまうと、そのお金が将来生んでくれたはずのリターンごと手放すことになる。だったら340万円は運用に置いたまま、2%弱でお金を借りたほうが得だ、という理屈です。

もちろん、投資のリターンは約束されたものではありません。ローンの利息のほうは確実に発生するコストなので、これは「確実に得」ではなく「期待値で得」という話です。そこは分けて考える必要があります。ただ、10年というスパンで5%と2%の差に賭けないという選択は、僕にはむしろ不自然に思えました。

ローンを組むと決めてからの条件は1つだけ。固定金利であること。このインフレのご時世に、10年もの変動金利を抱えるのは僕には怖すぎました。その条件で銀行・JA・労金あたりを見比べて、一番低かったのがJA(農協)の固定1.95%です。正直、車のローンで農協という発想は最初ありませんでした。JAバンクのシミュレーションで何度も数字をいじって、ここに決めました。

最終的な組み方はこうです。頭金200万円、借入340万円、期間10年。月々の返済は17,700円に抑えて、ボーナス時に上乗せする形にしました。総利息はざっくり34万円ほど。「340万円を10年間、運用に置いたままにできる権利」の値段が34万円なら安い。そう思って判子を押しました。

僕の場合

一番緊張したのは銀行の審査ではなく、妻へのプレゼンでした。持っていった材料は4つ。①返済が家計に与える影響は月17,700円で収まること、②一括で買う場合と比べてNISAに残せる金額と、その期待リターン、③S2000はJDMブームで海外に流出し続けていて、値崩れしにくいこと。ここまで数字で押して、最後に④子どもの頃からの夢だったこと。計算3つと感情1つ、という構成で無事に了承をもらえました。

これから車のローンを考える人へ

僕の選び方がそのまま正解だとは思いません。ただ、考える順番だけは誰にでも使えるはずなので置いておきます。

月々の額ではなく、払い終わったときの合計で比べる

残クレ、ディーラーローン、銀行系ローン。どれで買うにしても、「最後まで払い終えたとき、結局いくら払ったのか」を横に並べてください。月々の安さは仕組みでいくらでも演出できますが、総支払額はごまかせません。ディーラーの見積もりの隣に銀行ローンの試算を1枚置くだけで、見える景色が変わります。

その車に何年乗るのかを先に決める

3年で乗り換えるなら、残クレにも合理性があります。10年乗るつもりなら、返却前提の仕組みはそもそも土俵に上がりません。買い方に合わせて乗り方を決めるのではなく、乗り方から買い方を逆算する。順番はこれだけです。

積立をしている人は、ローン金利と自分のリターンを並べる

もしインデックス投資を続けているなら、「一括で払うはずのお金を運用に残したら何%で働いてくれるか」と「借りたら何%払うか」を並べてみてください。2%を切るローンが見つかるなら、現金を温存する選択肢は十分ありです。逆に、残クレやディーラーローンで4〜6%取られるなら、その差はほとんど消えてしまいます。

今日からできること

  • 気になる車の見積もりを「総支払額」で3パターン(残クレ・ディーラーローン・銀行系ローン)並べてみる
  • 銀行・JA・労金のマイカーローン金利を3つ調べる。固定か変動かのメモも忘れずに(僕はJAの固定1.95%でした)
  • 「その車に何年乗るか」を先に決める。5年未満と10年以上とでは、選ぶべき買い方が変わります

まとめ

残クレを選ばなかったのは、残クレが悪い商品だからではなく、20年乗るという僕の乗り方に合わなかったから。一括にしなかったのは、固定1.95%というコストより、340万円を運用に残しておく価値のほうが大きいと計算できたから。書いてしまえばそれだけの話です。ただ、この「それだけの計算」をやらずに、月々の数字だけ見て判子を押してしまう人が実際は多いんだと思います。憧れの車ほど、財布より先に電卓を出す。これはおすすめです。

筆者のひとこと

ここまでさんざん計算の話をしてきましたが、納車の日のことだけは数字で説明できません。わざわざ東京まで受け取りに行って、その足で箱根の峠まで走りに行きました。幌を開けて走りながら出てきた感想は「すごく感動した」、それだけ。20年越しの夢の割に語彙が貧困ですが、本当にそれしか出てきませんでした。買い方は電卓で決めていい。でも買う理由は、夢のままでいいと思います。

※本記事は個人の体験と見解であり、特定の金融商品やローン商品を推奨するものではありません。投資は元本割れのリスクを伴います。ローン・投資の最終判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

参考

この記事を書いた人

しごととお金のラボ 管理人
28歳の組み込みエンジニア。仕送りゼロ・食費月1万円の学生時代からつみたてNISAを始め、資産1,100万円まで積み上げてきました。仮想通貨で10万円全損した失敗も隠さず書いています。派手な儲け話ではなく、「働き続ける不安から逃げるために始めた投資」のリアルを発信中です。
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