テレビやYouTubeで「この銘柄が2〜3倍になる」みたいな話を見ると、正直、今でも一瞬ドキッとします。僕も人間なので。投資をしていると、有名な起業家や投資家が「未来を掴む株」を語る場面に必ず出会うんですよね。テスラ、SoFi、DeNA──こういう成長株の名前が並ぶと、なんだか自分も乗り遅れたら損をする気がしてくる。
でも、資産1,100万円のうち700万円をインデックス、200万円を米国個別株、200万円を現金で持っている今の僕から見ると、この手の「注目銘柄リスト」との付き合い方は、けっこうハッキリしています。今日はその話を、自分の失敗も含めて正直に書きます。
結論:注目銘柄より「入金力」が先。理由は再現性
先に結論を言うと、僕は「誰かが推す注目銘柄を追いかける前に、毎月いくら投資に回せるか(入金力)を整える方が、はるかにリターンの土台になる」と考えています。
理由はシンプルで、銘柄選びは再現性が低いけど、入金額は自分でコントロールできるからです。テスラが2倍になるかどうかは僕には決められない。でも、毎月の積立を1万円から3万円に増やすかどうかは、僕の生活と判断でいくらでも変えられる。コントロールできるものに力を入れる。これは投資というより、生き方の話に近いかもしれません。
元ネタになった記事では、成田修造さんが「株価が半分になる可能性もあれば、2〜3倍になる可能性もある」と語っていました。これはすごく誠実な表現だと思います。でも逆に言えば、プロでも「半分か、2倍か」の幅でしか語れないということ。その不確実性のど真ん中に、まだ土台のない人がフルスイングで飛び込むのは、ちょっと危ないなと。
体験談:僕が10万円を一晩で溶かした「飛びつき」の話
このセクションの要点:お金に余裕がないときほど、人は派手な話に飛びつく。それを身をもって知りました。
2020年、コロナ禍で給付金10万円が振り込まれたとき、僕はその全額を「仮想通貨のIPO」みたいな案件に突っ込みました。当時、SNSで「これから何十倍になる」という言葉が流れてきて、当時の僕は本気で信じたんです。結果は、全損。10万円がゼロになりました。
今振り返ると、あのとき僕がやっていたのは投資じゃなくて「お金がない不安から逃げるためのギャンブル」でした。学生時代、仕送りゼロ・奨学金なしで、駅もスーパーも遠い場所に住んで、ドラッグストアの冷凍食品で食いつないでいた。お金の苦しさを知っているからこそ、「一発で抜け出せる話」に弱かったんですよね。
同じ構造のことを、FXの自動売買でもやって15万円失いました。合わせて25万円。当時の僕にとっては、何ヶ月分もの食費です。このあたりは金とビットコインの明暗|僕の暗号資産10万円全損から学ぶ分散術でも詳しく書いています。
注目銘柄リストそのものが悪いわけじゃないんです。問題は、土台のない人が「これさえ当てれば」という気持ちで近づくこと。あのときの僕がまさにそうでした。
具体例:注目銘柄を追うより、積立の複利を信じた方が報われる理由
このセクションの要点:派手さはないけど、入金力×時間の組み合わせは数字で裏切らない。
ここで一回、地味だけど大事なシミュレーションをしてみます。仮に年利5%で運用できたとして、毎月の積立額でどう変わるか。
- 月1万円 × 20年 → 元本240万円が、約411万円
- 月3万円 × 20年 → 元本720万円が、約1,233万円
- 月5万円 × 20年 → 元本1,200万円が、約2,055万円
※利回り5%・期間20年はあくまで一例です。実際の市場はマイナスの年もあり、この通りに増える保証はありません。
注目してほしいのは、「銘柄を当てた」わけじゃないのに、入金額を増やすだけでゴールがこれだけ動くという点です。月1万円と月5万円では、最終的に1,600万円以上の差。これは「テスラを当てるか」みたいな運の話じゃなく、自分の家計でコントロールできる差なんですよ。
もちろん「年利5%なんて簡単じゃない」という声はその通りです。だからこそ僕は、特定の銘柄に賭けるんじゃなく、市場全体を丸ごと買うインデックス(S&P500など)を主軸にしています。これは例えるなら、「クラスで一番足が速い子を当てる」のではなく「クラス全員の平均成長に賭ける」やり方。誰がスターになるか読めなくても、全体が伸びれば自分も伸びる。読めないものを読もうとしない、という割り切りです。
入金力をどう上げるかについては、若手の資産形成、入金力という名の壁で、僕自身のモヤモヤも含めて書いているので、よかったら。
行動:明日からできる「土台づくり」3ステップ
このセクションの要点:注目銘柄を眺める前に、まず自分の土台を作る。数字付きで具体的にいきます。
1. 自動で積み立てる仕組みを作る(4ステップ)
意志の力に頼ると続きません。仕組みで殴るのが正解です。
- ① ネット証券(SBI・楽天など)で口座を開設する(スマホで30分ほど)
- ② NISAのつみたて投資枠で、低コストの全世界株 or S&P500インデックスを選ぶ
- ③ 金額は「これがゼロになっても来月の生活は壊れない額」から。まず月1〜3万円が目安
- ④ 銀行口座からの自動引き落としに設定し、あとは触らない
ポイントは④です。手動で毎月買おうとすると、相場が下がった月に怖くて買えなくなる。自動化して「考えなくする」のが続けるコツです。NISAの基本がまだ不安な人は、お金の勉強は何から?元貧乏学生が選ぶ最初の3ステップから読むと地に足がつくと思います。
2. 個別株は「全資産の2割まで」とルールを決める
僕は1,100万円のうち、個別株は200万円(約18%)に抑えています。テスラやSoFiみたいな成長株に興味が出たとしても、買うのは「最悪ゼロになっても積立の土台は崩れない範囲」だけ。注目銘柄は、メインの料理じゃなくて、塩コショウくらいの位置づけにしておく。これだけで、暴落時に夜眠れなくなる確率がぐっと下がります。
3. 「誰が、何を売って儲けるための情報か」を確認する
注目銘柄の情報に触れたら、3秒だけ立ち止まって「この人はこれを言って何が得なのか」を考える癖をつけてください。発信者が証券会社・案件・有料サロンとつながっているなら、ポジショントークの可能性がある。これは相手を疑えという話じゃなくて、自分の判断を一枚はさむというだけのこと。僕が10万円溶かしたときに、これができていればなあ、と今でも思います。
まとめ:未来を掴むのは、当てた人じゃなく続けた人
成田修造さんの言う「投資を博打にせず、論理と実行の積み重ねで未来を創る」という姿勢には、僕もまったく同意です。ただ、その「積み重ね」の中身は、僕にとっては派手な銘柄選びじゃなくて、毎月コツコツ入金して市場全体に乗り続けること、それを20年やめないこと、でした。
注目銘柄リストは、見ていてワクワクするし、勉強にもなる。でも、それに飛びつく前に、自分の土台がちゃんとあるかを先に確認してほしい。土台さえあれば、注目銘柄は「楽しめる対象」になります。土台がないと、僕みたいに「逃げ場を求めるギャンブル」になってしまう。同じ道を少し先に歩いた人間として、そこだけは伝えたかったです。
筆者のひとこと
正直に言うと、僕は今でもテスラの決算を追うのが好きです。ワクワクするから。でも、それは「全力で賭ける対象」じゃなくて「眺めて楽しむ対象」になりました。10万円を溶かした昔の自分と、今の自分の一番の違いは、土台があるかどうか。それだけだと思っています。
※本記事は個人の経験と考えに基づくもので、特定銘柄の購入を勧めるものではありません。NISAなどの制度は今後改正される可能性があるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。投資には元本割れの可能性があり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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