マイナビの「転職動向調査2026年版(2025年実績)」を読んでいて、つい手が止まった。データ系の記事はもともと好きで、こういうのを見つけるとコーヒー片手にじっくり読み込んでしまう性分だ。今回のは特に「自分ごと」として刺さった。
僕はメーカーで組み込みエンジニアをやっている28歳の会社員で、今は大きいセキュリティ系のプロジェクトに関わっている。個人資産は1,100万円(NISA 700万・米国個別株 200万・現金 200万)。投資を始めた動機は正直「豊かになりたい」じゃなくて、「社会人を長く続けるだけのメンタルが自分にはない」という危機感からだった。だから目標はフルFIRE。そんな僕がこの転職データをどう読んだか、今日はその話をしたい。
結論から言うと、この記事から受け取った一番のメッセージは「転職で年収を上げよう」じゃなくて、「何歳になっても“働き続ける前提”が揺らいでいる」という事実だった。ここを軸に、データと自分の経験を行き来しながら書いていく。昔の自分——仕送りゼロ、近くにスーパーもなくてドラッグストアの冷凍食品で生きていた学生時代の僕——が読んでもわかるように、できるだけ噛み砕いて話すつもりだ。
調査の要点:転職率7.6%、年収は平均19.2万円増。でも50代は減っている
結論:転職市場は過去最高水準に動いているが、年収アップは「全員に等しく起きる」わけではない。
まず数字を整理する。要点はこの4つだ。
- 2025年の正社員の転職率は7.6%で過去最高水準。特に40代・50代が上昇。
- 転職理由のトップは「給与が低かった(23.2%)」、次いで「仕事内容に不満(21.0%)」「人間関係が悪かった(20.0%)」。
- 30代・50代では「今後の昇進や昇給が見込めない」が前年比で約4pt増加。
- 転職後の平均年収は533.7万円で、転職前より19.2万円増。30代は+32.4万、20代は+21.5万。一方で50代だけは-4.5万と減少。
理由を考えると、ここには2つの大事なファクトが隠れている。1つは、転職の主役がもう若手だけじゃないということ。40代50代が右肩上がりで動いているのは、「歳をとれば安泰」という昭和的なモデルが完全に崩れているサインだ。もう1つは、年収が増えるのは平均の話であって、50代では実際にマイナスになっているという現実。つまり「転職=年収アップ」は条件付きの幻想で、年齢やタイミングで結果は大きくブレる。
加えて、転職者の52.6%が「前職でキャリアに停滞感を感じていた」と答えている。理由は「毎日同じ仕事の繰り返し」「周りの評価とのギャップ」など。お金だけじゃなく、“この先が見えない感じ”が人を動かしているのがよくわかる。
僕の本音:「年収19万増」より「その差額をいくら積み立てに回せるか」
結論:転職で年収が上がるのは嬉しい。でも本質は、増えた分をどれだけ入金力に変えられるかだ。
なぜそう考えるか。僕はずっと「積立元本こそ正義」「入金力がすべて」だと思っているからだ。NISAの700万円を時間をかけて積み上げてきたけど、振り返って一番効いたのは年収アップそのものじゃなくて、「入金を止めなかったこと」と「時間」だった。
具体的に計算してみよう。仮に転職で年収が19万円増えたとする。手取りにすると、所得税・住民税・社会保険料でだいたい3割前後が引かれるので、実際に手元に残るのは年13万円ほど。月にすると約1.1万円だ。(※税率や手取り率は年収や家族構成で変わるので、あくまで一例)
この月1.1万円を、年率5%で20年積み立てたらどうなるか。ざっくり元本264万円に対して、運用後は約450万円。つまり「年収19万アップ」は、生活レベルを上げずに全額投資に回せば、20年後には400万円超の差になり得る。でも逆に、年収が上がったぶん家賃や外食のグレードを上げてしまえば、差額はゼロどころかマイナスにもなる。これが僕の言いたい「入金力」の正体だ。お金は“いくら稼ぐか”より“いくら残して回すか”で決まる。
ちなみに僕が今の会社を選んだ理由は、やりがいよりお金だった。「お金なくしてやりがいなし」とずっと思っている。だから転職理由のトップが「給与が低かった」だというデータは、きれいごと抜きで超わかる。人はお金で動く。それを2万人規模の調査が裏付けてくれた感じで、妙に腑に落ちた。
そして、これは過去の失敗とも繋がっている。僕は学生時代から社会人初期にかけて、仮想通貨のあやしい案件で10万円を全額溶かしたことがある。あのとき僕がそれに飛びついたのは、結局「お金に困っていたから」だ。お金がないと人は焦って、変な話に手を出す。だからこそ、転職データを見て焦って動くより、まず「逃げ道(資産とスキル)」を持っておくことのほうが、僕にとってはずっと優先順位が高い。
じゃあ僕はどうしているか:転職せず「いつでも逃げられる準備」を続ける
結論:僕は今のところ転職する気はない。でも「いつでも辞められる状態」だけは作り続けている。
理由は、選択肢を持っている側にいると職場でのメンタルがまったく違うからだ。仕事は正直しんどい部分もあるけど、昔みたいな「どす黒い感じ」じゃなくなった。それは仕事が劇的に良くなったからというより、「最悪いつでも辞められる」というカードを2枚持っているからだと思う。
1枚目は資産。個人資産1,100万円があるだけで、「今すぐ転職しないと詰む」という焦りから解放される。転職率が上がる時代に、追い込まれて転職する側じゃなく、選んで動ける側でいたい。2枚目はスキル。僕は毎日英会話のレッスンを続けている。これは「転職するため」というより、「いつでも逃げられる準備」のためだ。将来の選択肢を物理的に増やしておくと、目の前の理不尽にも少し冷静でいられる。
キャリアの停滞感を52.6%が感じていたというデータも、僕には他人事じゃない。「毎日同じ仕事の繰り返し」で停滞を感じる人が多いみたいだけど、僕みたいに一つの事象を深く考え続けるのが好きなタイプは、むしろ繰り返しより「成長が止まること」に停滞を感じる。だからこそ、社内のプロジェクトとは別軸で、英会話や投資の勉強という“自分のレーン”を持っておくのが、僕なりのキャリア停滞への保険になっている。
読者が明日からできる3つの具体アクション
結論:転職を“するかどうか”を悩む前に、まず「逃げられる準備」から手をつけたほうがいい。
転職データを見て「自分も動いたほうがいいのかな」と焦る前に、土台を作る。これが遠回りに見えて一番効く。今日からできることを3つ、数字付きで挙げる。
- 証券口座を開設して、新NISAのつみたて投資枠を自動設定する(今日〜1週間)。 手順はシンプルで、①ネット証券(楽天証券やSBI証券など)で口座開設 → ②NISAのつみたて投資枠を選ぶ → ③全世界株式かS&P500のインデックス投信を選ぶ → ④毎月の金額を決めて「自動引落」に設定。金額は無理せず月1万〜3万から。僕も大学院1年のときに月1万円・S&P500から始めた。自動化してしまえば、意志の力に頼らず勝手に入金力が育つ。
- 転職で増える「手取り差額」をシミュレーションする(30分)。 想定年収アップ額の約7割が手取り、と覚えておくといい。たとえば年収+30万なら手取り約+21万、月1.75万円。それを「生活費に消す」か「全額投資に回す」かで、20年後に数百万円の差が出る。動く前に、この差額の使い道だけは決めておく。
- 「逃げ道スキル」を1つだけ毎日コツコツやる(毎日15分)。 僕は英会話を毎日続けている。資格でもプログラミングでも、何でもいい。大事なのは「転職せざるを得ない状況に追い込まれる前に、選べる状態を作っておく」こと。1日15分でも、1年で90時間を超える。
本を1冊挙げるなら、僕は『お金の大学』が最初の一歩としてわかりやすかった。社会人2年目くらいに読んで、「固定費(保険・通信費)の見直し」を実際にやって、月1万円弱の支出を削れた。その分をそのまま投資に回したのが、入金力を意識し始めたきっかけだった。難しい用語が少なく、昔の自分でも読めたのが良かった。
まとめ:転職データが教えてくれた「焦らないための準備」
転職率7.6%、年収平均19.2万円増。数字だけ見ると「転職したほうが得かも」と思える。でも50代はマイナス、年収アップは条件次第、そして半数が停滞感を抱えていた——という現実もセットで見ておきたい。
僕の結論はシンプルで、「転職するかどうか」より先に、「いつでも逃げられる準備(資産+スキル)」を作ること。それがあれば、給与の低さを理由に焦って変な選択をしなくて済む。仮想通貨で10万円溶かした昔の僕に、一番伝えたいことだ。お金の知識と入金力は、最強の精神安定剤になる。
筆者のひとこと
正直、40代50代が動いているデータが一番こたえた。「歳をとれば落ち着く」なんてもう幻想なんだなと。だからこそ僕は、熱狂じゃなく逃げるために投資を続けている。キラキラしてないスタートラインだけど、同じように「働き続けるのが怖い」と思っている人に、この感覚が少しでも届けばうれしい。
※本記事の税率・手取り率・運用利回り・年収はあくまで一例で、年齢や家族構成・市場環境によって変わります。制度は改正される可能性があるため、最新の公式情報を必ず確認してください。投資は元本割れの可能性があり、最終的な投資判断は自己責任でお願いします。

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