結論:中東情勢で「5%狙い」に乗る前に、立ち止まってほしい話
ニュースで「中東情勢が緊迫」と流れるたびに、石油株や防衛株の名前がセットで出てくる。配当利回り5%超え、相場の下支え——響きはいい。でも僕は、組み込みエンジニアとして働きながら資産1,100万円を積み上げてきた今、こう思っています。「世界情勢を読んで5%を狙う」より先に、やるべきことが山ほどあると。
これは煽りでも逆張りでもなく、僕が実際に15万円を溶かして学んだことです。今日はそのへんを、同じ道を少し先に歩いている人間として正直に書きます。
主張:地政学で配当を取りにいくのは「上級者の遊び」だと考えている
要点サマリー:中東情勢と株価の関係には理屈がある。でもその理屈通りに動くとは限らない。
元ネタの記事はこう言っています。「中東が不安定になると石油の供給が滞って原油価格が上がる。だから石油株が上がる。防衛需要も増えて防衛株も上がる。どちらも配当利回りが5%前後あって美味しい」と。
理屈としては間違っていません。中東は世界有数の産油地帯だから、そこで何か起きると「明日から油が足りなくなるかも」と市場が身構える。これは需要と供給の話で、夏に台風が来そうだと野菜が高くなるのと同じ構造です。
でも、ここに大きな落とし穴があります。「上がる傾向がある」と「あなたが買ったタイミングで上がる」は、まったく別の話だということ。緊張が高まったニュースが出た瞬間には、もう価格に織り込まれていることがほとんどなんです。あなたがスマホでニュースを見たときには、プロはとっくに動き終わっている。
理由:僕がFXで15万円溶かして学んだ「イベント投資の残酷さ」
要点サマリー:相場の動きを読んで利益を取りにいく投資で、僕は実際に負けた。
投資を始めたばかりの頃、僕はFXの自動売買に手を出して15万円を失いました。「相場のクセを読めば自動で利益が出る」という設計に惹かれたんです。でも結果は、想定外の値動きが来た瞬間にあっさり吹き飛びました。
あのとき何がダメだったか。今ならハッキリ言えます。僕は「市場より自分が一歩先を読める」と勘違いしていた。中東情勢で5%を狙う発想も、根っこはこれと同じです。世界中のプロや機関投資家、AIまでが情報を奪い合っている戦場で、本業を持つ素人が「情勢を読んで」勝とうとするのは、かなり分の悪い賭けだと思います。
僕がお金で困っていた学生時代——仕送りゼロ、徒歩圏のコンビニでしか働けず、近所にスーパーもなくてドラッグストアの冷凍食品で食いつないでいた頃——もし当時の自分が「中東情勢で一発」みたいな話を聞いたら、たぶん飛びついていました。お金がないとき、人は早く増やせそうな話に弱い。その心理を、僕は身をもって知っています。だからこそ、ここは強めに書いておきたいんです。
ちなみに、この「分散して油断しない」という考え方は、暗号資産で10万円を全損したときにも学びました。詳しくは金とビットコインの明暗|僕の暗号資産10万円全損から学ぶ分散術に書いています。
具体例:高配当5%を「数字」で冷静に見てみる
要点サマリー:5%という数字は魅力的に見えるが、実際の手取りと値動きリスクを並べると印象が変わる。
仮に、配当利回り5%の石油株に100万円を投じたとします。年間の配当は5万円。ただし米国株の配当には税金がかかるので、ざっくり手取りは4万円弱になります(米国課税と日本課税の二重分があるため)。
- 投資額:100万円
- 配当利回り:5%(額面5万円/手取り約4万円)
- もし株価が中東情勢の沈静化で15%下がったら:含み損15万円
※税率・利回り・下落幅はあくまで一例です。実際の数字は銘柄・為替・税制によって変わります。
つまり、4万円の配当をもらうために、15万円の含み損を抱えるリスクを取りにいっている可能性がある。配当の「もらえる感」が気持ちいいだけで、トータルでは負けることもある。これが地政学イベント狙いの怖いところです。高配当株そのものを否定しているわけではなくて、「飛びつく前にやることがある」という話。そのへんの土台づくりは高配当4%株は買い?インデックス民が考える出口戦略でも具体的に書いています。
じゃあ僕は何をしているか:情勢ニュースの日にやる3つの行動
要点サマリー:明日からできる、地味だけど効く具体策。
僕の資産1,100万円の主軸はNISAでのS&P500積立(700万円)で、米国個別株は200万円、現金が200万円。中東情勢のニュースが流れた日でも、基本的にやることは変わりません。それでも「何もしない」ために、僕はこの3つを意識しています。
1. ニュースの日こそ「積立設定を確認するだけ」にする(5分)
緊迫した相場の日は、つい何か売買したくなる。だから僕はあえて、証券口座を開いて積立の設定が正しく動いているかだけ確認して閉じる。売買はしない。これだけで「イベントに乗りたい衝動」をかなり抑えられます。
2. 「自動で積み立てる仕組み」を先に作っておく(4ステップ)
そもそも情勢に振り回されないためには、判断を挟まない仕組みが最強です。まだの人はこの順番で。
- ① ネット証券(SBIや楽天など)で口座を開設する
- ② つみたて投資枠でS&P500か全世界株のインデックス投信を選ぶ
- ③ 金額は「なくても生活できる額」から。月1〜3万円が始めやすい
- ④ クレカ積立や銀行引落で自動引き落としに設定して、あとは触らない
このやり方なら、中東で何が起きても勝手に買い続けてくれます。安いときも高いときも淡々と買うので、タイミングを読む必要がない。これが素人にとって一番現実的な「勝ち筋」だと僕は思っています。
3. 個別株を買うなら「情勢」ではなく「企業」を見る(30分)
どうしても石油株や防衛株が欲しいなら、ニュースの勢いではなく、その会社の業績や配当の歴史を自分の目で確認する。売上は伸びているか、配当を何年続けているか。最低でもこのくらい調べてから。それでも全資産の一部に留めるのが鉄則です。「卵を一つのカゴに盛らない」——これは僕が暗号資産全損から骨身に沁みた言葉です。
まとめ:情勢に賭けるな、時間に賭けろ
中東情勢で5%を狙う——その発想は、相場を読めるという前提に立っています。でも本業を持つ僕らにとって、最大の武器は「相場を読む力」じゃない。毎月コツコツ入金して、長い時間をかける力です。僕が食費月1万円の貧乏学生から28歳で1,100万円まで来られたのも、派手なイベント投資ではなく、地味な積立と入金力でした。その軌跡は食費月1万円だった僕が、28歳で1100万円貯めた話に詳しく書いています。
ニュースが緊迫した夜こそ、何もしないで眠る。それが一番強い選択だったりします。
筆者のひとこと
「中東情勢で5%」みたいな話を見ると、昔の自分が飛びつきそうになった感覚を思い出して、つい力を込めて書いてしまいました。焦って取りにいった利益ほど、後でしっぺ返しが来る。15万円を溶かした僕が言うんだから、少しは信じてもらえると嬉しいです。
※税制・各種制度は改正される可能性があるため、最新の公式情報を必ずご確認ください。投資は元本割れの可能性があり、本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

