子どもの教育費って、いつから・いくら備えればいいんだろう。まだ子どもがいない僕でも、ふと考えることがある。大学まで通わせたら一人あたり1,000万円超えるなんて話を聞くと、正直「気が遠くなるな」って思う。そんなとき、ある制度改正のニュースが目に入った。NISAのつみたて枠が、18歳未満にも解禁される方向で検討されている、というものだ。
これを読んだときの僕の最初の感想は、シンプルに「あ、これは僕がもっと早く知りたかったやつだ」だった。僕がつみたてNISAを始めたのは大学院1年のとき。月1万円、S&P500からのスタートだった。当時は仕送りゼロ・奨学金なしで、徒歩圏の時給の安いコンビニでバイトして、ドラッグストアの冷凍食品で食いつないでいた。そんな貧乏学生でも、月1万円なら捻り出せた。そして今、その積立が自分の資産の土台になっている。だからこの「早く始められる人が増える」という方向性は、僕の信念とまっすぐ重なる。今日はこのニュースを、同じようにお金で悩んだことのある人の目線で噛み砕いてみたい。
そもそも何が変わる?NISA子ども解禁のポイント整理
まず結論から言うと、今回の制度改正の柱は「投資信託などを定期的に積み立てるつみたて枠を、18歳未満の子どもにも開放する」という点だ。報じられている内容では、年間60万円まで、総額600万円まで非課税で積み立てられる方向だという。運用で増えた資金を、学費など子育て費用に充てることが期待されている。
背景には数字がある。2024年1月に新NISAが始まって以降、口座数は2025年6月末時点で約2,700万口座まで増えた。けれど政府が掲げる目標は3,400万口座。あと700万口座をどう増やすかが課題になっている。そこで、口座開設が伸び悩んでいる若年層や、その親・祖父母の資金を呼び込む狙いで、子ども向けの解禁が出てきた、というわけだ。
実は子ども向けの非課税制度自体は、過去にもあった。「ジュニアNISA」だ。ただこれは利用が全NISA口座の1〜5%程度にとどまり、2023年末で廃止されている。理由は、原則18歳まで引き出せないという厳しい縛りがあったこと。教育費みたいな急な出費に対応できず、途中で引き出すと過去の利益にさかのぼって課税される仕組みだったのが、使いにくさにつながった。今回はこの反省を踏まえ、12歳までは引き出せないが、それ以降は子どもの同意などを条件に引き出せるよう調整されると報じられている。なぜ「12歳」で線を引くのか。これは、親が子ども名義の資金を勝手に使ってしまうリスクと、いざという教育費に使いたいニーズの、ちょうど折り合う点を探った結果だと僕は読んでいる。子どものためのお金を、親の都合で崩させない仕組みを残しつつ、現実の出費にも対応させる。そのバランス調整なんだと思う。
僕ならどう使う?「枠があるから」で動かない理由
ここからは僕自身の考えを正直に書く。結論を先に言うと、僕はこの制度を歓迎している。ただし「枠ができたから全力で突っ込む」という使い方はしない。理由は、出口のタイミングを自分で選べないからだ。
僕の投資の中身を晒すと、今の個人資産は約1,100万円。内訳はNISAが700万、米国の個別株が200万、現金が200万だ。最初に買った個別株はコカ・コーラだった。NISAを主軸に、コツコツ入金を続けてきた結果がこの数字になっている。この経験から強く思うのは、「時間は最大の武器」だということ。投資は早いほうがいい、というのは煽りじゃなくて、ただの算数の話だ。同じ月1万円でも、15年積むのと5年積むのとでは、雪だるまの大きさが全然違う。最初は手のひらサイズの雪玉でも、長い坂道を転がせば自然と大きくなる。子どもが0歳から積み立てられるなら、その坂道を18年分も使えることになる。これは破壊力がある。
ただ、ここで一度立ち止まりたい。教育費って、使うタイミングがほぼ決まっている。大学入学なら18歳の春だ。問題は、相場がそのタイミングで都合よく上がっているとは限らないこと。むしろ「学費に充てる前提だったのに、必要な年にガクッと下がっていた」みたいなことは普通に起きる。雪だるまを坂の途中で急いで掘り出したら、まだ小さかった、という事態だ。
だから僕なら、子ども用の枠はあくまで「当面使わない超長期のお金」だけにする。そして近い学費は、現金で別に確保しておく。入金力こそ正義だと思っているけど、それは「使う時期が自由なお金」に限った話なんだよね。
もう一つ、自分の失敗から学んだことがある。僕は学生時代に近いお金の苦しさを知っているからこそ言えるんだけど、お金に困っていたり焦っていたりすると、人は変な話に飛びつく。実際、僕は社会人になりたての頃、仮想通貨のIPO案件に10万円を入れて、まるごと溶かしている。「これに乗れば一発で変わるかも」という焦りが判断を狂わせた典型だった。制度が拡充されるのは良いことだけど、知識がないまま「枠があるから」で動くと、形を変えた同じ失敗をしかねない。子ども名義だと、なおさら冷静さを欠きたくない。だから僕は、親が先に正しい知識を持つことが、子どもへの一番の贈り物だと思っている。
具体シミュレーション|月3万円を18年積んだらどうなる?
言葉だけだとピンと来ないので、数字で見てみよう。仮に子どもが生まれた年から、月3万円(年36万円)を18年間つみたてたとする。元本は648万円。これを年利5%で運用できたと仮定すると、18年後にはおよそ1,050万円前後になる計算だ。増えた約400万円が、もし非課税ならそのまま手元に残る。通常の課税口座だと、この利益に約20%(約80万円)の税金がかかるので、その差は小さくない。
もう一段ゆるく、月1万円(年12万円)を18年なら、元本216万円が同じ条件でおよそ350万円。これだけでも私立大学の初年度費用くらいはカバーできるイメージだ。※税率・利回り・期間はあくまで一例で、相場次第で元本割れもあり得る。確定した未来ではないことは強調しておく。
大事なのは「いくら増えるか」より、「いつ使う前提のお金か」を先に決めること。この順番を間違えなければ、制度は強い味方になる。
明日からできる3つの具体アクション
「で、自分は何からやればいい?」という人向けに、明日から動ける手順を絞って書く。子どもがいる・いないに関わらず使える内容にした。
① まず家計を「使う時期」で3つに仕分けする(所要30分)。すぐ使う生活費、5年以内に使う予定のお金(学費・車・引っ越しなど)、当面使わない超長期のお金。この3つに分けるだけで、何を投資に回せて何を現金で持つべきかが見えてくる。投資に回していいのは原則3つ目だけだ。
② 自動で積み立てる仕組みを4ステップで作る。(1)ネット証券で口座を開設する→(2)つみたて投資の設定画面を開く→(3)まずは月1万円など無理のない金額を決める→(4)銀行口座からの自動引き落としをオンにする。ここまでやれば、あとは意志の力に頼らず勝手に積み上がる。最初の金額は、家計が苦しければ月5,000円でもいい。続くことのほうが、額より100倍大事だ。
③ お金の基礎知識を1冊だけ入れる。あれこれ手を出すより、評判の安定した入門書を1冊読み切るほうが効く。僕は『お金の大学』みたいに家計・保険・投資を横断的に扱う本を最初の1冊に勧めている。読むときのチェックポイントは「元本割れの可能性」「手数料」「いつ引き出せるか」の3点。この3つさえ確認できれば、変な投資話に飛びつくリスクはかなり減る。
子ども向けNISAが本格化するなら、解禁前のこの時期に、まず親である自分の家計と知識を整えておくのが一番のスタートダッシュになると思う。
まとめ
NISAのつみたて枠が18歳未満にも解禁される方向、というニュースを軸に書いてきた。ポイントは3つ。年間60万・総額600万の非課税枠で子どもの教育費を準備できる可能性が出てきたこと。過去のジュニアNISAの失敗を踏まえ、12歳以降は引き出せるよう調整されていること。そして、制度がどれだけ良くても「いつ使うお金か」を先に決めないと、出口で泣くことになること。
制度は、使える人が使えばいい。別世界に見える家庭もあるだろうし、月1万円すらきつい時期もある。僕自身、貧乏学生だった頃にこの記事を読んだら「金持ちの家の話でしょ」とひねくれて読んだと思う。でも今ならこう言える。スタート地点が低くても、自分で稼いだお金を少額から積み立てれば、未来はちゃんと変わる。子どもへの一番の準備は、まず親が落ち着いてお金を学ぶことだ。
筆者のひとこと
正直、このニュースを見て一番に浮かんだのは「もし自分に子どもがいたら」という想像だった。お金がなくて選択肢が狭かった学生時代の自分に、誰かが正しい知識を渡してくれていたら——そう何度も思ってきた。だからこそ、制度を煽りに使うんじゃなく、淡々と仕組みとして渡せる大人でいたい。僕は僕のペースで、今日も入金を続けるだけだ。
※本記事の制度内容は検討段階のものであり、税制は改正されうるため必ず最新の公式情報を確認してください。投資は元本割れの可能性があり、最終的な判断は自己責任でお願いします。

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