「オルカン一本で本当に大丈夫なのかな」——夜中にスマホで含み損の数字を眺めながら、そんなふうにモヤモヤしたこと、ありませんか。僕も投資を始めたばかりの頃、コロナ禍の給付金10万円で買ったコカ・コーラ株が一時マイナスになって、寝る前に何度も株価アプリを開いてしまった時期がありました。あの「将来使うお金なのに、こんなに値動きに振り回されていいのか」という感覚は、今でもよく覚えています。
そんな中で2026年6月、ちょっと気になるニュースが出ました。2027年から新NISAのつみたて投資枠で「債券」が買えるようになる、という改正です。地味なニュースに見えますが、これは「将来お金を使うとき=出口」をどう設計するかに直結する話なんですよね。今日はこの債券解禁を、僕自身の資産1,100万円のリアルな配分も交えながら、「出口戦略」と「10年ルール」という切り口で噛み砕いてみます。結論から言うと、ほとんどの20代にとっては今すぐ動く必要のない話。でも、知っておくと数年後にラクできる話です。
結論:2027年の債券解禁で「NISAだけで出口設計が完結」できるようになる
要点サマリー:
- こどもNISA新設・国内株指数の追加・つみたて枠での債券解禁、改正は大きく3つ
- これまで成長投資枠でしか買えなかった債券が、つみたて枠でも買える
- 国内株・外国株・国内債・外国債の「4資産」をNISA1,800万円の枠内だけで組める
まず改正の事実だけ整理します。2026年3月31日に成立した令和8年度税制改正に基づき、2027年1月からNISAが変わる予定です(細部は今後の政省令で変更される可能性あり)。ポイントは3つ。
1つ目はこどもNISAの新設。廃止されたジュニアNISAの後継です。2つ目は国内株指数の拡充で、読売333やJPXプライム150指数などが選べるようになります。そして3つ目が今回の主役、つみたて投資枠での債券ファンド解禁です。
これまで、つみたて枠には債券ファンドがありませんでした。だから債券を持ちたい人は「成長投資枠」を使うか、課税される特定口座で買うしかなかった。これが2027年からは、つみたて枠だけで株も債券も揃えられる。記事が紹介していたのは、年金を運用するGPIF(運用残高約290兆円の世界最大級の機関投資家)と同じ「国内株25%・外国株25%・国内債25%・外国債25%」の4資産均等配分を、NISAの非課税枠1,800万円まるごとで再現できる、という話でした。
GPIFの運用目標は「賃金上昇率+1.9%」。ムリにリターンを追わず、でもインフレには負けない、という絶妙なラインを狙っています。「将来使うお金を、ちょうど良く殖やす」という発想は、確かに僕らのNISAと根っこは同じなんですよね。
理由:株式100%は「出口」で弱い。だから10年ルールで考える
要点サマリー:取り崩しの局面では、株が下がっているときに株を売らずに済む「逃げ場」があると強い。それが債券の役割。
なぜ債券解禁が「出口戦略」の話になるのか。ここがこの記事で一番伝えたいところです。
オルカンやS&P500の中身は、ほぼ株式100%です。積み立てている「入口」の時期は、これでまったく問題ない。むしろ最強だと僕は思っています。問題は「お金を実際に使い始める=出口」のとき。たとえば60歳で取り崩しを始めた年に、たまたま市場が30%下落していたらどうでしょう。株100%だと、安くなった株を売って生活費にあてるしかありません。これを専門用語で「シーケンス・オブ・リターン・リスク」なんて言いますが、難しく考えなくていい。要は「最悪のタイミングで、安いものを叩き売る羽目になる」という話です。
ここで僕が持ち出したいのが「10年ルール」という考え方です。これは制度の名前ではなく、僕が出口設計で意識している自分なりの目安なんですが——「これから10年以内に使う予定のお金は、株式から債券・現金へ移しておく」というルールです。株は10年単位で見れば回復してきた歴史がありますが、1〜2年単位だと平気で半分になります。だから「向こう10年で取り崩す分」だけは値動きの穏やかな債券にしておく。そうすれば、株の暴落時には債券のほうから取り崩して、株が回復するのを待てる。この「売る順番を自分で選べる」自由度が、4本バラバラで持つ最大のメリットなんです。
債券を身近なものにたとえるなら、僕は「家計の非常用の貯水タンク」だと思っています。普段は地味で、株みたいにグングン増えてくれない。でも株という井戸が干上がった年に、このタンクから水を引ける。乾季(暴落)に井戸を無理やり掘らずに済む、という安心料です。バランス型ファンド1本だと、株も債券も一緒くたに売ることになるので、この「タンクだけ先に使う」ができない。4本に分けておく意味はここにあります。
ちなみに僕自身の資産配分を正直に出すと、今はNISA 700万・米国個別株 200万・現金 200万の計1,100万円で、債券はゼロです。米国個別株はコカ・コーラから始めて今は含み益が出ていますが、それでも僕はまだ債券を1円も持っていません。理由は次の章で話します。
具体例:僕が今は債券を買わない理由と、年収500万円のシミュレーション
要点サマリー:債券で配分を整えるのは資産1,500万円くらいから。それまでは株式集中で「元本の山」を積む方が効く。
結論を先に言うと、僕は「若い人」か「資産1,000万円台前半まで」の人は、債券を考えなくていいと思っています。 アセットアロケーション、つまり配分の調整を本気でやるのは1,500万円くらいからかな、というのが今の僕の感覚です。
なぜか。理由はシンプルで、資産が小さいうちは「配分をいじっても効果が小さく、入金を増やすほうが圧倒的に効く」からです。たとえば資産200万円の人が債券を25%混ぜて値動きを10%抑えても、守れているのは数十万円分の振れ幅。一方で同じ人が月の積立を1万円から3万円に増やせば、年間24万円も「元本の山」が高くなる。20代の武器は時間と入金力であって、守りの精緻さではないんですよね。
ここで非課税メリットを数字で見てみます。※年収・税率・運用期間はあくまで一例です。 仮に年収500万円の会社員が、つみたて枠で月3万円(年36万円)を年利5%で20年積み立てたとします。元本720万円が約1,233万円に育つ計算で、利益は約513万円。通常の課税口座だと利益に約20.315%、つまり約104万円が税金で引かれます。NISAならこれがまるまる非課税。これは「年間◯円の節税」というより「出口で100万円単位の差になる」という話で、僕がNISAを主軸にしている最大の理由でもあります。
僕の失敗談も正直に置いておきます。投資を始めて間もない頃、お金に余裕がなかった時期に、仮想通貨のIPO話に乗って10万円を全損、その後FXの自動売買で15万円を損失しました。合計25万円。「お金に困っているとき、人ほど変な話に飛びつく」を身をもって学んだわけです。この遠回りの末にたどり着いた答えが「インデックス積立+元本重視」でした。だからこそ言えるんですが、配分を凝る前に、まず負けない仕組み(自動積立)を作るほうが先です。債券で守りを固めるのは、守るべき山ができてからで遅くありません。
明日からできること:今日設定する「自動で増やす仕組み」4ステップ
要点サマリー:債券を考えるより前に、まず自動積立の仕組みを今日作る。具体的な手順と数字を置いておきます。
「で、結局なにをすればいいの?」という人のために、僕が実際にやって効果があった行動を具体的に並べます。
① 自動で増やす仕組みを今日作る(4ステップ)
- 1. ネット証券(手数料の安いところ)で口座を開設する
- 2. つみたて投資枠でS&P500かオルカンの「つみたて設定」をする
- 3. 金額は無理のない範囲で。目安は手取りの10〜20%、まずは月1万円でもOK
- 4. クレジットカードか銀行からの「自動引き落とし」に設定して、あとは触らない
ポイントは、最後の「自動引き落とし」です。手動で毎月買おうとすると、相場が下がった月ほど怖くて買えなくなる。仕組み化して感情を挟まないのが続けるコツです。
② 自分の「10年ルール」のラインを決めておく
今すぐ債券を買う必要はありませんが、「資産がいくらになったら、何年後に使う分を債券へ移すか」だけ先に決めておくと、2027年の解禁後に迷いません。僕の場合は「1,500万円を超えたら、外国債券を中心に少しずつ」と決めています。
③ 学習ステップ:本で土台を作る
知識ゼロからなら、僕が読んで考え方が変わった『お金の大学』(両@リベ大学長)が入口にいいです。僕はこの本の「固定費を見直す」の章を読んで、実際に格安SIMへ乗り換えて月7,000円ほど通信費を下げ、その分を積立に回しました。配分を凝るより、この「入金力を上げる」効果のほうが当時の僕には何倍も大きかったです。次のステップで配分の考え方を深めたいなら『ウォール街のランダム・ウォーカー』が定番です。
リスク確認ポイント: 債券=安全、ではありません。特に外国債券は為替の影響を受けますし、金利が上がると債券価格は下がります。「株より値動きが穏やか」なだけで、ゼロリスクではない点だけは押さえておいてください。
まとめ:解禁は朗報。でも順番を間違えないこと
2027年のNISA債券解禁は、「NISAの中だけで一生のメンテナンスが完結する」という意味で、間違いなく前向きな改正です。GPIFと同じ4資産配分も、4本バラバラで持てば「売る順番を選べる」出口の自由度が手に入ります。
ただ、順番を間違えないこと。20代や資産1,000万円台前半の人にとって、最優先は配分の最適化ではなく、株式中心で元本の山を積み上げること。債券で守りを固めるのは、守るべきものが大きくなってから——僕自身、1,100万円持っていてもまだ債券ゼロなのは、そういう理由です。10年ルールという出口の地図だけ頭の片隅に置いて、今日は自動積立の設定から始めましょう。
制度は改正される可能性があるため、最新の公式情報を必ず確認し、投資判断はご自身の責任で行ってください。
筆者のひとこと
正直に言うと、僕が投資を始めた動機は「豊かになりたい」より「社会人をずっと続ける自信がないから、逃げ道がほしい」でした。だから出口戦略の話は、僕にとって「いつか働かなくていい日」の設計図そのものなんです。債券解禁のニュースを見て真っ先に思ったのも、利益うんぬんより「あ、これで将来ラクに引退できる手段が一つ増えたな」でした。キラキラした理由じゃなくていい。逃げるための投資でも、ちゃんと前に進めます。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資は元本割れの可能性があり、最終判断は自己責任でお願いします。

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