「日経平均が前月末比9.1%上昇」——SBI証券のこの記事を読んだとき、僕が最初に思ったのは、正直に言うと「うらやましい」でも「よし買うぞ」でもなくて、「あ、これは僕の主戦場とはちょっと畑が違う話だな」っていう、少し冷めた感覚だった。
僕は28歳のメーカー勤務エンジニアで、いま個人資産は1,100万円。内訳はNISAでのS&P500インデックスが700万、米国個別株が200万、現金が200万。投資の主軸はあくまで「毎月コツコツのインデックス積立」で、相場の上げ下げに一喜一憂するタイプじゃない。だからこそ、こういう『今アツい高配当銘柄10選』みたいな記事を、昔とは全然違う読み方で読めるようになった。
でも、もし貧乏学生だった頃の僕がこの記事を読んでたら——たぶん目がギラついてたと思う。仕送りゼロ、近くにスーパーもなくてドラッグストアの冷凍食品で食いつないでた頃。「配当4.0%!」の文字を見て「これで一発逆転できるかも」って飛びついてたはず。今日は、この記事を題材に『高配当株との正しい距離の取り方』を、同じ道を少し先に歩いてる立場から話したい。
結論:記事は「煽り」じゃなく「情報」として読めるようになってからが本番
要点サマリー:高配当株は土台ができてから。まずインデックス積立で判断軸を育てよう。
先に結論を言ってしまうと、SBI証券のこの『配当利回り4.0%以上・好業績の10銘柄』記事は、初心者がいきなり飛びつく対象じゃない、というのが僕の考えだ。理由はシンプルで、こういう記事は「正しい知識の土台」がある人が読むと有益な情報になるけど、土台がない人が読むと『一発逆転の煽り』に見えてしまうから。同じ文章なのに、読む人の状態で意味が180度変わる。これがお金の世界の怖いところだと思う。
SBI証券の記事の要点:相場は良かったが「全員が儲かった」わけじゃない
要点:日経平均は9.1%上昇も、その恩恵は半導体・AI関連に偏った。
まず記事の中身をかんたんに整理する。2026年5月相場は5/29で取引終了。日経平均株価は5/28時点で前月末比9.1%上昇と、かなり好調なパフォーマンスだった。イラン情勢への懸念が後退する中で、半導体・AI関連株を中心に買われたのが背景だ。
ここで僕が一番「正直でいいな」と思ったのが、記事の中の一文。『半導体・AI関連株の相場に乗れなかった投資家にとっては、好パフォーマンスと言われても実感できないかもしれません』というところ。実際、もう一つの指標であるTOPIX(東証株価指数)の上昇率は4.6%にとどまっていて、日経平均ほど上がっていない。つまり「相場全体が9.1%上がった」と言っても、その恩恵は一部の人気銘柄に集中していて、多くの人は実感できていない、という構図だ。
そこで記事が提案しているのが、人気が偏っている今だからこそ『好業績で配当が高いのに、まだ株価が見直されていない銘柄』を探そう、という視点。スクリーニング条件は、(1)東証プライム上場、(2)時価総額1,000億円以上、(3)予想を出すアナリストが2名以上、(4)今期予想配当利回りが4%以上、(5)今期予想純利益が前年比増益、(6)同じ業種に偏らないよう調整、といった内容だった。要するに「人気に流されず、業績と配当の数字で選ぶ」というアプローチだ。この考え方自体は、僕も嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。
僕の場合:最初に買った株はコカ・コーラ。理由は「長く付き合えそうだから」
要点:僕も高配当の発想は好き。でも数字だけで飛びつかないのは、過去に25万円溶かしたから。
結論から言うと、僕はこの記事を読んでも『よし、この10銘柄を買おう』とはならない。でも『高配当・好業績で長く持てる銘柄』という発想そのものは、実はかなり共感している。一見矛盾しているこの感覚を、自分の体験から説明したい。
僕が米国個別株を始めたのはコロナ禍。給付金10万円をきっかけに、最初に買ったのがコカ・コーラだった。選んだ理由が、まさに「配当が安定してて、長く付き合えそうだから」。派手な値上がりを狙ったわけじゃなく、『20年後も世界中でコーラ売ってるよな』っていう、すごく地味な確信で買った。今では米国個別株は合計200万円分まで増えて、コカ・コーラはその中でも一番気持ちよく持ち続けられている銘柄だ。だから、SBIの記事が言う『利回り4%以上をスクリーニングする』視点は、個別株を選ぶときの一つの軸として素直に参考になる。
じゃあなぜ「この10銘柄を買おう」とならないのか。それは、過去に派手に痛い目を見ているからだ。一つは仮想通貨のIPO案件で10万円を全額溶かした。もう一つはFXの自動売買で15万円を失った。合わせて25万円。当時の僕にとっては、バイト数ヶ月分の重みだった。あのとき骨身にしみたのは、『人が薦める儲け話に飛びついても、自分の中に判断軸がないと続かない』ということ。値下がりした瞬間に怖くなって、底値で投げ売りして終わるんだ。
この失敗を経て、僕はインデックス積立+元本重視という今の答えにたどり着いた。だから今は、この手の記事は『ふーん、今はこういう銘柄が注目されてるのか』っていう情報として淡々と受け取るだけ。実際に動くかどうかは、必ず『自分が10年20年持てるか』を基準に考える。配当利回りの数字だけで飛びつくのは、昔の25万円の失敗を繰り返すのと同じだからね。
分散って結局なに?「コンビニのおにぎりだけで生きるな」って話
要点:分散=食事のバランス。一つの銘柄に全部賭けると、それがコケた瞬間に詰む。
記事のスクリーニング条件に『同じ業種に偏らないよう調整』とあったけど、これがいわゆる「分散」の考え方だ。分散って言葉、難しく聞こえるけど、僕はいつも食事でたとえる。
学生時代、僕は安いコンビニのおにぎりや冷凍食品ばっかり食べてた。たしかに腹は膨れるけど、それだけだと栄養が偏って体を壊す。投資も同じで、一つの銘柄や一つの業種に全財産を突っ込むのは、『おにぎりだけで生きる』のと一緒。半導体株がアツいからって全部そこに賭けたら、半導体が落ちた瞬間に資産も一緒に倒れる。だからインデックス投資(S&P500みたいに何百社にまとめて投資する商品)は、いわば『栄養バランスの取れた定食』なんだ。地味だけど、一つの料理が傷んでても他でカバーできる。僕がNISAで700万をインデックスに置いているのは、この『定食の安心感』が理由だ。高配当株はあくまで、定食に追加する一品料理。メインディッシュにはしない。
読者へ:明日からできる3ステップと「自動で増える仕組み」の作り方
要点:高配当株より先に土台。証券口座→積立設定→自動引落まで今日終わらせよう。
結論として、まずやるべきは高配当株選びじゃなく『土台づくり』だ。理由は、土台がないまま個別株に行くと、昔の僕みたいに数字に踊らされて損切りで終わるから。具体的な行動を3つ挙げる。
① 自動で増える仕組みを今日設定する(4ステップ)
(1)ネット証券(SBI証券や楽天証券)で口座開設、(2)NISAのつみたて投資枠を選択、(3)S&P500か全世界株のインデックス投信を月1万円から設定、(4)銀行口座からの自動引落をオンにする。これで毎月『勝手に』積立が回る。僕も大学院1年のとき、月1万円のS&P500からスタートした。最初は本当に1万円。それが時間をかけて主軸の700万円まで育った。金額は少額でいいから、まず仕組みを動かすのが大事だ。
② 判断軸を育てる本を1冊読む
僕が考え方を変えられたのは『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ)を読んだとき。それまで『投資=当てるもの』だと思ってた僕が、『投資=仕組みで淡々と続けるもの』に頭が切り替わった一冊だった。FXで15万溶かした直後だったから、余計に刺さった。
③ 高配当株に行く前のリスク確認3項目
個別株を買うなら最低限、(1)その会社を10年後も使ってる想像ができるか、(2)配当が業績に対して無理してないか、(3)株価が下がっても投げ売りせず持てる金額か——をチェックする。この3つに自信を持って答えられないうちは、まだインデックスの土台を厚くする段階だと僕は思う。
まとめ:時間は最大の武器、焦りは最大の敵
SBI証券の『配当4.0%以上の好業績10銘柄』は、土台のある人には面白い情報、ない人には危険な煽りに見える記事だった。僕自身、最初に買ったコカ・コーラは今も気持ちよく持てているけど、それは過去に25万円を溶かして『自分が長く持てるか』という判断軸を手に入れたからだ。高配当株は、インデックスで土台を作ってからでも全然遅くない。投資は早いほうがいいけど、焦って変な話に飛びつくのは別問題。時間は最大の武器、焦りは最大の敵だ。まずは月1万円の自動積立から、淡々と始めてみてほしい。
筆者のひとこと
正直に言うと、僕がこういう記事を冷静に読めるようになったのは、つい数年前から。給付金10万円で買ったコカ・コーラが今も含み益を出してるのを見ると、『焦らなくてよかったな』としみじみ思う。逆に言えば、焦ってた頃の僕は25万円分の授業料を払った。その授業料の中身を、このブログで全部さらけ出してる。同じ失敗をする人が一人でも減ったら、僕がドラッグストアの冷凍食品食ってた日々も報われる気がするんだ。
※本記事の配当利回りや銘柄情報は元記事公開時点(2026/5/29)のものです。制度や税制は改正される可能性があるため、最新の公式情報を必ず確認してください。投資は元本割れの可能性があり、最終的な投資判断は自己責任でお願いします。

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